The Scent of Memory
「香りと記憶」
ある香りによって、記憶や感情が呼び起されるといった経験はありませんか。五感の中で、最もプリミティブでダイレクトに脳に作用する嗅覚は、あらゆる欲求や感情など人間の本能と直結しているといわれています。
「香りと記憶」をテーマに、日頃からDr. Vranjesをご愛用いただいている方々にお話しを伺いました。インタビューを隔週でお届けいたします。

集合住宅、個人住宅のインテリアコーディネートをはじめ、商業施設やエクステリアデザインのコーディネート、製作オブジェ及びアートプランニングも手掛ける。トータルな視点から快適さと心地よさを追求し、美意識のある住まいを提案。社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID)会員。

1. 「香りの記憶」と聞いて、思い浮かぶエピソード、または忘れられない香りはありますか?
若いころ、バックパッカーでトランジットを繰り返し、南回りでヨーロッパ旅行に行ったことがあります。その道中、飛行機の中で配られるジャスミンの香りのホットタオルが、青春時代の楽しい旅行の記憶とともに心に残っています。
長時間飛行機に乗っているので機内食の回数も多く、そのホットタオルの香り=食事と植えつけられていましたね(笑)。今となっては新鮮さを感じませんが、「あの頃感じたあの香り」が特別で新鮮に思えたことを記憶しています。

2. 香りを選ぶ上で重要なポイントは?
まず、天然成分を用いた上品でやさしい香りであること。私は人工的な強い香りが苦手です。
空間作りをする上で大切にしている「五感に働きかける」ということ。私の特徴的な演出として、「香り」、「音楽」、「風の流れ」(鳥のさえずり音や水の音は風の流れを感じさせます)をプラスします。その中でも特に、その家や人の印象を決める大きな要素である「嗅覚」=「香り」については随分と気を配っていて、Dr. Vranjesの上品でやわらかい香りはスッとインテリアに溶け込むので、わたしがモデルルームを演出する時に欠かせないツールになっています。

3. 日常生活の中で香りにまつわるご自身のルール、またはゲン担ぎ等ありますか?
入浴時、お気に入りの香りのバスソルトを入れ心身共にリフレッシュし、疲れを溜めないよう心掛けています。お風呂あがりには、全身にローズ水を浸透させ、ダマスクローズのオイルで保湿するのが日課になっています。いずれも、やさしく香る天然香料のものを使用しています。

4. Dr. Vranjesの香りでお気に入りのものを教えてください
モデルルームを演出するときに欠かせないのが、私の中で朝をイメージさせる「ARIA(空気)」と、夕暮れをイメージさせる「MELOGRANO(ザクロ)」のディフューザー2種類。ARIAは白を基調としたインテリアによく合いますね。またMELOGRANOは温かみがあって、重厚感のあるインテリアにも合います。空間の広さ、家の広さによって複数個置き、また同一の香りで統一します。香りは、脳の中でも感情や記憶をつかさどる大脳辺縁系に直結していますから、ゲストの記憶にも残りやすい。まだ部屋の全貌がわからない状態であっても、玄関のドアを開けた瞬間、上品でやさしいフレグランスの香りが漂ってきたらゲストの緊張もほぐれ、印象に残りやすいですね。この2種類は個人的にも気に入っていて、オフィスや自宅でも使っています。